DM制作会社を選ぶ際、制作実績に掲載されているデザインを見て、依頼先を検討する方も多いのではないでしょうか。しかし、「おしゃれなデザインを制作している」「見た目が印象的」といった理由だけでは、自社に適したDM制作会社かどうかを判断することは難しいものです。
DMには、商品・サービスの魅力を伝え、受け取った人に問い合わせや申込みなどの行動を促す役割があります。そのため、見た目の美しさだけでなく、情報の分かりやすさや文字の読みやすさ、ターゲットとの適合性も重要です。
また、DMは印刷物であるため、画面上のデザインが優れていても、実際の印刷サイズや用紙、加工方法によって仕上がりの印象が変わる場合があります。
DM制作会社のデザイン力を比較するときは、情報設計・視認性・ターゲットへの適合性・印刷品質など、具体的な評価基準に分けて確認することが大切です。
この記事では、DM制作会社のデザイン力を見極める6つのポイントと、制作実績の確認方法、複数社を比較するチェックリスト、問い合わせ時の質問例を紹介します。
DM制作会社のデザイン力を評価する際、まず理解しておきたいのは、見た目の好みと、目的に適したデザインであるかは別だということです。
どれほど洗練されたデザインでも、商品・サービスの内容が伝わりにくかったり、問い合わせ方法が分かりにくかったりすれば、DM本来の目的を十分に果たせない可能性があります。
制作会社を比較する際は、デザインの役割を踏まえ、情報の伝わりやすさや印刷物としての完成度まで確認しましょう。
DMのデザインでは、受け取った人が短時間でも重要な情報を把握できるようにすることが大切です。
例えば、セミナーの案内DMであれば、開催テーマや日時、対象者、参加するメリット、申込み方法などを分かりやすく伝える必要があります。
このとき、すべての情報を同じ大きさで並べると、どこに注目すればよいのか分かりにくくなる場合があります。
一方、見出し・本文・写真・申込み案内などに適切なメリハリを付けることで、重要な情報を見つけやすくなります。
制作会社のデザイン実績を見る際は、次のような点に注目しましょう。
見た目の美しさだけでなく、受け取った人が内容を理解し、必要な行動を取れるように設計されているかを評価することが重要です。
DMに適したデザインは、対象とする顧客や商品・サービスの特徴によって変わります。
例えば、高価格帯の商品を紹介するDMでは、余白を活かした落ち着いたデザインや、商品の質感が伝わる写真表現が適している場合があります。
一方、期間限定キャンペーンの告知では、特典や期限を分かりやすく示し、すぐに内容を理解できるデザインが求められることがあります。
また、法人向けのDMでは、導入メリットやサービスの特徴を整理して伝えることが重要になる場合もあります。
ただし、法人向けだから落ち着いた色がよい、若年層向けだから鮮やかな色がよいといったように、属性だけで適切な表現を決められるわけではありません。
実際の顧客層や商材の特徴、DMの目的に合わせてデザインを考えることが大切です。
制作会社の実績を見る際は、自社の好みに合うかだけでなく、受け取る人に合った表現になっているかという視点を持ちましょう。
DMはWebサイトやデジタル広告とは異なり、実際に手に取って見る印刷物です。
そのため、パソコン画面上で確認したデザインと、印刷後の仕上がりでは印象が異なる場合があります。
例えば、画面上では読みやすかった文字が、実際のはがきサイズでは小さく感じられることがあります。また、用紙の種類や印刷方法によって、色の見え方や写真の質感が変わることもあります。
圧着DMや折り加工を伴うDMでは、開いたときの情報の見え方や、折り目付近の文字配置にも注意が必要です。
制作会社のデザイン力を確認する際は、完成画像だけでなく、可能であれば実物の印刷サンプルも確認しましょう。
DM制作会社のデザイン力を比較する際は、具体的な評価項目に分けて確認すると、複数社の違いを整理しやすくなります。
特に確認したいのは、次の6つのポイントです。
| 評価項目 | 確認する内容 | 判断のポイント |
|---|---|---|
| 情報設計 | 見出し・本文・CTAの配置 | 重要な情報が分かりやすく伝わるか |
| 読みやすさ | 文字サイズ・余白・配色 | 無理なく内容を読めるか |
| ターゲット適合性 | 表現・デザインテイスト | 顧客層や商材に合っているか |
| ビジュアル | 写真・イラスト・図版 | 商材の魅力や特徴が伝わるか |
| 印刷・加工 | 用紙・印刷色・折り・特殊加工 | 実物として適切に仕上がるか |
| デザインの応用力 | 目的・形式・ブランドへの対応 | 自社の要望に合わせて制作できるか |
以下では、それぞれの評価ポイントについて詳しく解説します。
DMのデザインでは、限られた紙面の中で情報を分かりやすく整理することが重要です。
掲載する情報が多い場合でも、すべてを同じ大きさや強さで配置するのではなく、重要度に応じてメリハリを付けることで、内容を理解しやすくなります。
例えば、セミナー集客を目的としたDMであれば、開催テーマや参加メリットを目立たせ、その後に開催日時・会場・申込み方法を確認できるようにする構成が考えられます。
制作実績を見る際は、次の点を確認しましょう。
例えば、商品写真が大きく配置されていても、商品名や特徴が分かりにくければ、情報設計として改善の余地があるかもしれません。
また、問い合わせを目的とするDMであれば、電話番号やQRコードなどの行動導線が分かりやすい位置にあるかも確認しましょう。
目立つデザインかどうかだけでなく、必要な情報を適切な順序で伝えられているかが評価のポイントです。
文字の読みやすさは、DMのデザイン品質を判断するうえで重要な要素です。
文字サイズが小さすぎたり、背景色と文字色の差が少なかったりすると、デザイン全体が美しくても内容を読み取りにくくなる場合があります。
特に、はがきなどの限られた紙面では、情報を詰め込むことで文字が小さくなりやすいため注意が必要です。
制作会社の実績を確認するときは、次の点に注目しましょう。
例えば、淡い背景色の上に細い文字を配置したデザインは、画面上では洗練された印象を与えても、印刷すると読みづらくなる場合があります。
また、文字を強調するために多くの色を使用すると、かえって重要な情報が分かりにくくなることもあります。
文字の読みやすさを評価する際は、拡大表示されたデザイン画像だけではなく、可能であれば実際の印刷サイズで確認しましょう。
読みやすいDMのデザイン事例については、以下の記事も参考にしてください。
DMのデザインは、商品・サービスの特徴やブランドイメージ、受け取る人の関心に合わせて設計する必要があります。
例えば、高級感を重視するブランドのDMであれば、色使いや写真、文字の配置などを統一し、落ち着いた印象を演出する方法が考えられます。
一方、店舗の期間限定キャンペーンでは、特典や開催期間を目立たせ、内容をすぐに理解できるデザインが適している場合があります。
制作会社の実績を見る際は、次の点を確認しましょう。
例えば、既存のWebサイトやパンフレットでは落ち着いたデザインを採用しているのに、DMだけ極端に異なる色使いや表現にすると、受け取った人に違和感を与える可能性があります。
ただし、キャンペーンなどで通常とは異なる表現を採用することが適切な場合もあります。
重要なのは、デザインを変更する理由が明確であり、施策目的やブランドの方向性と矛盾していないことです。
自社のブランドイメージを理解したうえで、ターゲットや施策目的に応じた表現ができるかを確認しましょう。
写真やイラスト、図版などのビジュアル要素も、DMのデザイン品質を左右します。
例えば、商品の魅力を伝えるDMでは、写真の構図や明るさ、質感の表現によって、受け取る人に与える印象が変わります。
一方、サービスの仕組みや導入メリットを伝えるDMでは、写真よりも図解や比較表を活用した方が、内容を理解しやすくなる場合があります。
制作会社のデザイン実績を見る際は、次の点を確認しましょう。
例えば、業務システムの導入を促すDMであれば、パソコンの写真だけを掲載するよりも、導入前後の業務の違いを図で表現した方が、サービスのメリットを理解しやすくなる場合があります。
また、実際の商品写真を使用する場合は、印刷後にも必要な細部が見えるか、色味が大きく変わらないかといった点も重要です。
写真やイラストを制作会社に用意してもらう場合は、撮影・制作費用の有無や、素材の使用範囲、著作権・利用許諾なども確認しておきましょう。
DMは最終的に印刷して届けるため、紙や印刷方式、加工方法への理解もデザイン力を判断するポイントになります。
例えば、画面上で鮮やかに見える色が、印刷方式や用紙の種類によって異なる仕上がりになることがあります。
また、封書や圧着DM、折り加工を伴うDMでは、完成した状態での見え方を考慮してデザインする必要があります。
制作会社の実績を確認する際は、次の点に注目しましょう。
例えば、圧着DMでは、開封前に見える面と開封後に見える面を分けて情報を配置する必要があります。
また、箔押しや特殊な用紙を使用する場合は、デザイン上の効果だけでなく、制作費や納期への影響も考慮することが大切です。
なお、デザイン制作と印刷を別の会社が担当する場合、制作会社側で印刷仕様をどこまで確認してもらえるのかも重要になります。
デザイン画像の完成度だけでなく、印刷物として意図した仕上がりを実現できるかを確認しましょう。
DM制作会社を選ぶ際は、特定のデザインテイストが得意かどうかだけでなく、異なる目的や条件に合わせてデザインを調整できるかも確認しましょう。
例えば、新規顧客獲得を目的としたDMと、既存顧客へのリピート促進DMでは、必要な情報や訴求方法が異なります。
また、同じ商品・サービスを案内する場合でも、ターゲットによってキャッチコピーや写真、レイアウトを変えることがあります。
制作実績を見る際は、次の点を確認しましょう。
例えば、既存顧客向けのDMを制作した後、新規見込み客向けに内容を変更したい場合、基本デザインを活用しながら、訴求内容や情報の配置を調整する方法が考えられます。
また、ブランドイメージを維持しながら、キャンペーンごとに表現を変える必要がある場合もあります。
制作会社の得意なデザインテイストが自社に合っていることも重要ですが、自社の目的や制作条件に応じて適切な表現を選択できるかという視点でも評価しましょう。
DM制作会社のWebサイトに掲載されている制作実績は、デザイン力を判断するための参考になります。
ただし、掲載されている画像や作品だけでは、実際の制作条件や仕上がり、制作会社が担当した業務まで分からない場合があります。
実績を見る際には、次の3つの点にも注意しましょう。
制作会社のポートフォリオには、特にデザイン性の高い作品や、特徴的な制作事例が掲載されている場合があります。
これらは制作会社の表現力を知るための参考になりますが、掲載作品の見た目だけで、自社への適合性を判断することは難しいものです。
例えば、写真を大きく使用したデザインが魅力的であっても、自社では多くの情報を掲載する必要がある場合、同じ表現方法が適しているとは限りません。
ポートフォリオを確認するときは、次のような情報も確認しましょう。
また、デザインコンテストの受賞歴なども評価材料の一つになりますが、受賞歴があることと、自社の目的に適したDMを制作できることは必ずしも同じではありません。
作品の背景や制作条件まで確認し、自社の希望と照らし合わせて判断しましょう。
具体的なデザインの事例については、以下の記事も参考にしてください。
可能であれば、制作会社が過去に制作したDMの実物サンプルを確認することをおすすめします。
Webサイトに掲載された画像では、紙の厚みや手触り、印刷色の仕上がり、加工品質などを十分に確認できないためです。
実物サンプルでは、次の点に注目しましょう。
例えば、高級感のあるDMを制作したい場合は、画面上のデザインだけでなく、用紙の質感や印刷の仕上がりによっても印象が変わります。
一方、販促キャンペーン用のDMでは、装飾や加工の豪華さよりも、情報の見やすさや費用とのバランスが重要になることもあります。
実物サンプルを確認できない場合は、印刷仕様や加工方法、仕上がりを確認するための校正方法などを質問するとよいでしょう。
制作会社の実績を見る際は、そのデザインを誰が、どの工程から担当したのかも確認しましょう。
例えば、発注側が用意した原稿や写真を使用してレイアウトを制作した事例と、企画・コピー・撮影から担当した事例では、制作会社が担った役割が異なります。
また、デザインを社内で制作している会社もあれば、外部のデザイナーと連携して制作している会社もあります。
外部委託そのものが品質上の問題になるわけではありませんが、修正や校正、品質確認をどのような体制で行っているかは確認しておきたいポイントです。
完成したデザインの品質だけでなく、希望する品質を安定して制作できる体制があるかも確認しましょう。
制作実績全体の評価方法については、以下の記事でも詳しく解説しています。
複数のDM制作会社を比較するときは、デザインの印象だけで判断するのではなく、同じ評価項目で整理すると違いを把握しやすくなります。
以下のチェックリストを参考に、各社の制作実績やサンプル、提案内容を確認してみましょう。
| 評価項目 | A社 | B社 | C社 |
|---|---|---|---|
| 情報の整理・レイアウト | ― | ― | ― |
| 文字の読みやすさ | ― | ― | ― |
| 配色・コントラスト | ― | ― | ― |
| ターゲットへの適合性 | ― | ― | ― |
| ブランドイメージとの整合性 | ― | ― | ― |
| 写真・図版の品質 | ― | ― | ― |
| 印刷・加工への配慮 | ― | ― | ― |
| デザインテイストの対応幅 | ― | ― | ― |
| 修正・校正体制 | ― | ― | ― |
| 自社との総合的な適合性 | ― | ― | ― |
※各社の欄には「十分」「一部」「要確認」「不足」などを記入してください。上記は比較用の記入例であり、特定企業のデザイン品質を示すものではありません。
チェックリストを使用するときは、すべての項目を同じ重要度で評価する必要はありません。
例えば、多くの情報を掲載する法人向けDMであれば、情報の整理や文字の読みやすさを重視することが考えられます。
一方、ブランドの世界観を伝える高級商材のDMであれば、写真の品質や印刷加工、ブランドイメージとの整合性などを重視する場合があります。
また、デザイン実績が魅力的でも、自社が必要とする形式や納期に対応できるとは限りません。
制作条件をそろえて複数社へ相談し、デザイン品質と実務面の両方を比較しましょう。
制作会社のデザイン力を判断する際は、Webサイトに掲載された実績だけでなく、問い合わせや初回相談で具体的な質問をすることも有効です。
ここでは、確認しておきたい質問を3つの目的に分けて紹介します。
これらの質問では、デザインの好みだけでなく、目的やターゲットを踏まえて表現を考えているかを確認しましょう。
初回相談の段階では具体的なデザイン案が完成していない場合もありますが、制作に必要な情報や検討の進め方について説明できるかが判断材料になります。
例えば、実物サンプルを確認できる場合は、写真や文字の仕上がりに加えて、紙の厚みや折り加工の精度なども確認できます。
また、特殊加工を希望する場合は、加工の対応可否だけでなく、費用や納期への影響も確認しましょう。
デザインの品質だけでなく、制作中の修正対応や納品条件も、依頼先を選ぶうえで重要です。
例えば、今後も同じDMを使用したり、内容を一部変更して再発送したりする予定がある場合は、編集可能なデータの納品可否や、再利用できる範囲を確認しておく必要があります。
また、デザイン修正が何回まで基本料金に含まれるのかを把握しておけば、想定外の追加費用を防ぎやすくなります。
完成したデザインの品質だけでなく、制作過程での対応や納品後の利用条件まで確認しましょう。
DM制作会社を選ぶ際は、デザイン力だけでなく、企画・提案力や対応範囲、費用なども含めて総合的に判断することが重要です。
例えば、デザイン品質に優れた会社であっても、印刷・発送まで一括で依頼できない場合や、希望する納期に対応できない場合があります。
一方、デザインの実績がそれほど多くなくても、自社が必要とする販促物の制作に適しており、費用や進行管理の面で条件に合う会社も考えられます。
制作会社を比較する際は、次の流れで検討すると整理しやすくなります。
特に、DMの企画から相談したい場合は、デザインの完成度だけでなく、なぜその表現が適しているのかを説明できるかも重要です。
制作会社の企画・提案力の評価については、以下の記事も参考にしてください。
また、デザイン制作費や修正費、印刷・加工費などの条件を比較する際は、見積もりに含まれる業務範囲をそろえることが大切です。
具体的なDM制作会社の特徴やサービス内容を比較したい方は、以下のページも参考にしてください。
DM制作会社のデザイン力は、見た目のおしゃれさやインパクトの強さだけでは判断できません。
商品・サービスの魅力を伝え、受け取った人が必要な情報を理解できるように設計されているかが重要です。
制作会社のデザイン力を比較するときは、次の6つのポイントを確認しましょう。
また、ポートフォリオに掲載されている画像だけでなく、実際の印刷サンプルや制作条件、修正・校正体制などを確認することも大切です。
自社の好みだけで判断せず、ターゲットにとっての分かりやすさと、印刷物としての完成度を基準に比較することが、適切なDM制作会社の選定につながります。
今回紹介したチェックリストや質問例を参考に、複数の制作会社を比較し、自社の目的に合った依頼先を検討しましょう。
DMデザインの基本的な考え方については、以下の記事も参考にしてください。
制作会社はそれぞれ得意にしていることが違い、
自社の目指す成果を得意としている会社に依頼をすることがDM施策の効果最大化のための第一歩です。
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