DMでは、商品やサービスの魅力を伝えようとするほど、掲載する情報が増えがちです。しかし、文字や写真を詰め込みすぎると、受け取った人はどこから読めばよいか分からず、内容を理解する前に読むのをやめてしまう可能性があります。本記事では、情報を分かりやすく整理して成果につなげたDM事例をもとに、見やすいレイアウトや文字、色、行動導線の工夫を紹介します。
KDDIは、旧規格のWi-Fiを搭載したホームゲートウェイの交換を促すため、100万通を超えるDMを発送しました。
同社では以前、ブランドカラーを多く使い、伝えたい情報を一つのDMに詰め込んでいたため、重要な箇所が分かりにくくなるという課題を抱えていました。
そこで、掲載情報を絞り込み、機器交換と無線LANの利用範囲を広げる追加メニューを整理して案内。申込みの手続きも簡略化し、受け取った人が内容を理解してから行動するまでの負担を減らしました。
その結果、機器交換のみで約5%、追加メニューで約3%、合計で8%を超える申込みにつながりました。
公益財団法人日本賃貸住宅管理協会は、賃貸住宅管理会社の新規入会を促すため、法令への対応状況を確認できるセルフチェックリスト型のDMを制作しました。
封筒では、法令への対応に不安がある企業へチェックリストの確認を促し、開封後は複数の項目に答えるだけで、現在の課題を整理できる構成にしました。
文章を一方的に読ませるのではなく、チェック項目を追いながら自社の状況を確認できる設計にすることで、サービスの必要性を自分事として理解しやすくしています。
チェックリストは厚みのあるバインダーに挟んで送付し、他の郵便物との差別化と保管性も向上。発送から半年後も問い合わせが続き、最終的に問い合わせ100件、入会35件を獲得しました。
介護・福祉事業者向けにM&Aや事業売却を支援するCBホールディングスは、経営者に無料の企業価値診断を案内するDMを制作しました。
M&Aや事業承継は、専門的な内容が多く、短い説明だけではサービスの必要性や相談後の流れを理解しにくいテーマです。
そこで、パンフレットを対話形式で展開し、読み手の疑問に答えながら内容を順番に説明。難しい情報を一度に提示するのではなく、会話を追うように無理なく最後まで読める構成にしました。
封筒には広告色を抑えたデザインを採用し、売り込みへの警戒感も軽減。テレマーケティングと組み合わせることで、高いアポイント率につながりました。
見やすいDMでは、すべての情報を同じ大きさや強さで掲載しません。
最初に伝えたいメッセージ、商品やサービスのメリット、信頼を得るための情報、特典、申込方法というように、読み手が判断する順番に合わせて情報を配置します。
何を最初に見て、次に何を理解し、最後にどのような行動を取ってほしいのかを整理することが重要です。
受け取った人が、本文を最初から最後まですべて読むとは限りません。
「このような課題を解決」「サービスの3つの特徴」「申込みまでの流れ」など、内容を具体的に表す見出しを付けることで、見出しを追うだけでもDMの概要を理解できます。
「特徴について」「詳しくはこちら」といった抽象的な見出しではなく、その部分を読むと何が分かるのかを明確にしましょう。
文字が小さすぎたり、行間が狭すぎたりすると、内容に興味があっても読むことが負担になります。
キャッチコピー、見出し、本文、注釈、申込期限などの役割に応じて文字サイズを分け、文章が密集しないよう、行間や段落間の余白を確保します。
特にシニア層を対象とするDMでは、限られた紙面に情報を詰め込むよりも、文字の読みやすさを優先することが大切です。
多くの色を使うほど目立つとは限りません。色数が多すぎると、どこが重要なのか分かりにくくなります。
本文の基本色、ブランドカラー、強調色など、それぞれの役割を決めて使用しましょう。
価格、期限、特典、申込ボタンなど、行動に関係する情報にだけアクセントカラーを使うことで、視線を誘導しやすくなります。
余白は、何も置かれていない無駄なスペースではありません。
写真や文章の周囲に余白を設けることで、どこからどこまでが一つの情報なのかを理解しやすくなります。
情報同士の関係を整理し、重要な要素を目立たせるためにも、余白をデザインの一部として活用することが必要です。
写真やイラストは、紙面を華やかにするためだけに使用するものではありません。
商品の大きさや使用場面、サービスの仕組み、導入後の変化など、文章だけでは伝わりにくい内容を補う目的で使用します。
内容と関係のない写真やアイコンを増やすと、読み手の視線が分散するため、必要なものに絞りましょう。
Z型レイアウトは、視線が左上から右上、左下、右下へ移動する流れを想定した構成です。
横長の紙面や、情報量が比較的少ないハガキDMに向いています。左上にキャッチコピー、中央に商品やサービスの情報、右下に申込導線を置くことで、自然な順番で内容を伝えられます。
F型レイアウトは、左側を基準に、上から下へ情報を読む流れを想定した構成です。
文章量が多いDMや、サービスの特徴を複数紹介するDMに向いています。見出しの位置を左側にそろえ、重要な情報から順番に上部へ配置することで、読み手が必要な情報を探しやすくなります。
一点集中型は、一つの写真やキャッチコピーを大きく見せるレイアウトです。
新商品、イベント、期間限定キャンペーンなど、最も伝えたい内容が一つに絞られている場合に適しています。
一目で内容を理解してもらいやすい一方、詳しい説明が必要な商品では、中面やWebページへの誘導を組み合わせる必要があります。
ブロック型は、情報を複数のまとまりに分けて整理するレイアウトです。
複数の商品、料金プラン、特徴、導入事例などを掲載する場合に適しています。
各ブロックの見出しや背景、写真の配置をそろえることで、情報のまとまりと違いを理解しやすくなります。
ストーリー型は、読み手の課題、課題が起こる原因、解決方法、導入後の変化という順番で内容を見せるレイアウトです。
BtoBサービスやコンサルティング、金融商品など、一定の説明が必要な商材に向いています。
読み手が自社や自分の課題と重ねながら読み進められるため、複雑なサービスでも理解を促しやすくなります。
ハガキは掲載できる情報量が限られるため、伝える内容を一つに絞ることが重要です。
表面で興味を引き、裏面でメリット、特典、申込方法を伝えるなど、それぞれの面の役割を分けます。
詳しい商品説明まで詰め込まず、二次元コードや電話番号など、次の行動につながる情報を目立たせましょう。
圧着DMは複数の面を使えるため、通常のハガキより多くの情報を掲載できます。その一方で、情報を詰め込みすぎやすい点に注意が必要です。
表面で興味を引き、開封後に詳しい説明、特典、申込方法を順番に見せるなど、開く動作に合わせて情報を展開します。
封書DMでは、挨拶状、パンフレット、申込書、返信用封筒など、複数の資料を同封できます。
資料ごとの役割を明確にし、最初に読むものが分かるようにしましょう。送付物が多い場合は、内容物一覧や「まずはこちらをご覧ください」と記載した案内状を付ける方法も有効です。
商品や情報を多く掲載するカタログ・冊子型では、目次、ページ番号、見出し、カテゴリー分けを活用します。
商品を単純に並べるのではなく、用途、悩み、価格帯など、読み手が商品を選ぶ際の基準に合わせて分類することが大切です。
認知を広げる、商品を購入してもらう、店舗へ来てもらう、資料請求を増やすなど、DMで促したい行動を明確にします。
複数の目的を一枚に詰め込むと、受け取った人が何をすればよいか分かりにくくなります。
最も重要な行動を一つ決め、それ以外の情報は、その行動を後押しする補足として扱いましょう。
「経理業務にお困りの方へ」「過去1年間ご利用のない会員様へ」など、対象者を具体的に示すことで、受け取った人が自分に関係する案内だと判断しやすくなります。
対象者を広く設定しすぎず、顧客属性や購入履歴、利用状況に応じてDMの内容を分ける方法も有効です。
「多くの企業に選ばれています」「業務を効率化できます」といった抽象的な表現だけでは、具体的なメリットを理解しにくい場合があります。
導入社数、削減時間、利用期間、反応率などの数字や、導入前後を比較する図を使うことで、情報を短時間で理解しやすくなります。
ただし、比較項目や数字を増やしすぎず、判断に必要な情報に絞ることが重要です。
二次元コード、電話番号、申込期限、受付時間などが紙面の複数箇所に分散すると、読み手がどこから申し込めばよいか迷う可能性があります。
申込みに必要な情報を一つのエリアにまとめ、ボタンや囲みなどで他の情報と区別しましょう。
二次元コードの近くには「詳しい料金を見る」「無料相談を予約する」など、読み取ると何ができるのかを明記します。
パソコンの画面上では読みやすく見えても、印刷すると文字や二次元コードが小さく感じられることがあります。
原寸で印刷し、ターゲットに近い第三者に見てもらいましょう。「何の案内か」「最も重要な情報は何か」「次に何をすればよいか」が短時間で伝わるか確認します。
掲載する情報を増やすほど、商品やサービスを正確に理解してもらえるとは限りません。
DMには興味を持ち、行動するために必要な情報を優先して掲載し、細かな仕様や長い説明はWebページや別資料に分けましょう。
文字を大きくすれば、必ず見やすくなるわけではありません。すべての文字が同じように大きいと、情報の強弱がなくなり、重要な部分を判断しにくくなります。
キャッチコピー、見出し、本文、注釈の役割に応じて、文字サイズに段階を付けることが大切です。
太字、赤字、下線、囲み、マーカーなどを多用すると、紙面全体が強調され、かえって重要な情報が分からなくなります。
特に伝えたいメリット、期限、申込方法など、強調する箇所を数か所に絞りましょう。
紙面に空きがあるからという理由で、内容と関係のない写真やアイコンを配置すると、読み手の視線を散らす原因になります。
商品の利用イメージを伝える、文章の内容を図解するなど、明確な役割があるものだけを使用します。
二次元コードだけが掲載されていても、読み取った先に何があるのか分からなければ、行動を起こしにくくなります。
遷移先の内容や、読み取ることで得られるメリットを近くに記載しましょう。また、二次元コードが小さすぎないか、実際の端末で読み取れるかも確認が必要です。
企業側が用意した原稿や写真をそのまま配置するだけでは、情報量が多く、分かりにくいDMになる場合があります。
DMの目的やターゲットを踏まえ、どの情報を残し、どの情報を省くべきかまで提案してもらえる会社か確認しましょう。
シニア層、経営者、一般消費者、専門職など、ターゲットによって適切な文字サイズや情報量は異なります。
誰が、どのような状況で読むのかを想定し、文字、写真、レイアウトを設計できる会社が望ましいです。
DMですべてを説明せず、詳しい内容をWebページで伝えることで、紙面の見やすさを保てます。
DMと二次元コードの遷移先となるLPを一体で設計できる会社であれば、メッセージやデザインを統一し、申込みまでの流れを分かりやすくできます。
制作担当者が見やすいと感じたデザインが、実際に最も高い反応を得られるとは限りません。
レイアウト、キャッチコピー、写真、申込導線などの異なる案を用意し、A/Bテストや二次元コードの読み取り数、問い合わせ数などを検証できるか確認しましょう。
見やすいDMとは、情報が少ないDMや、単に文字を大きくしたDMではありません。受け取った人が必要な情報を短時間で理解し、迷わず次の行動へ進めるように設計されたDMです。
今回紹介した事例では、掲載する情報を絞る、チェックリストで課題を整理する、対話形式で順番に説明するといった工夫によって、複雑な内容を分かりやすく伝えていました。
成果につながるDMを制作するには、情報に優先順位を付け、見出し、文字、色、写真、余白の役割を整理する必要があります。また、申込みに必要な情報を一か所にまとめ、紙面からWebや電話へ進む導線を明確にすることも重要です。
DM制作会社によって、情報量の多いサービスを整理する会社、複数案を提示して反応率を検証する会社、紙面とWebを一体で設計する会社など、強みは異なります。
当メディアでは、顧客との関係性を深めロイヤリティを高めるDM、CVR(成約率)など具体的な数値を追求するDM、購買意欲を刺激するギミックDMなど、目的別におすすめのDM制作会社を紹介しています。
自社に最適なパートナーを探している方は、比較・検討の材料としてお役立てください。
制作会社はそれぞれ得意にしていることが違い、
自社の目指す成果を得意としている会社に依頼をすることがDM施策の効果最大化のための第一歩です。
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