病院やクリニックでは、健康診断や予防接種、再診、健康教室などの情報を患者へ届ける手段として、DM(ダイレクトメール)を活用できます。本記事では、病院・クリニックにおけるDMの制作例を紹介するとともに、患者に伝わりやすいデザインや、医療広告・個人情報の取り扱いで注意したいポイントを解説します。
健康診断や人間ドックの対象者へ、受診時期や検査内容、予約方法を知らせるDMです。
健康診断の案内では、検査項目を詳しく説明するだけでなく、受け取った人が「自分は対象なのか」「いつまでに何をすればよいのか」を短時間で理解できるようにする必要があります。
表面には「前回の健診から約1年が経過した方へ」など、案内の対象を示す見出しを配置。中面では、検査コース、実施期間、費用、所要時間、持ち物を項目ごとに整理します。電話番号やWeb予約用の二次元コードは一か所にまとめ、予約まで迷わず進める構成にします。
高齢者を含む幅広い患者が読むことを想定し、小さな文字や薄い色を避け、十分な文字サイズと余白を確保することも重要です。
インフルエンザなどの予防接種について、接種期間や対象年齢、費用、予約方法を知らせるDMです。
予防接種の案内は、年齢や居住地域によって費用や助成の条件が異なるなど、掲載情報が多くなりやすい傾向があります。
そこで、「対象となる方」「接種できる期間」「費用」「予約方法」「当日の持ち物」などに情報を分け、表や囲みを使って整理します。接種期間と予約開始日を明確に分けることで、患者の誤解も防ぎやすくなります。
また、接種を強く迫る表現ではなく、対象者が必要な情報を確認し、自分で判断できる案内にすることが大切です。
病院が地域住民や既存患者を対象に開催する、健康教室や市民公開講座、相談会などへの参加を促すDMです。
「糖尿病について学ぶ講座」といったテーマだけでは、受け取った人が自分に関係する催しなのか判断しにくい場合があります。
「血糖値が気になる方へ」「自宅で続けられる食事と運動のポイントを紹介」など、対象者と参加後に得られる内容を具体的に示すことで、興味を持ってもらいやすくなります。
日時、会場、参加費、定員、講師、申込方法を整理し、地図やアクセス情報も掲載します。医師や管理栄養士、理学療法士などの講師情報を添えることで、病院が開催する講座としての信頼感も伝えられます。
継続的な診療や経過確認が必要な患者に、受診時期や予約方法を知らせるDMです。
再診案内では、患者が受診の必要性を理解できるよう、案内の目的と予約方法を簡潔に伝えます。一方で、封筒の外側に病名、治療内容、検査名などを記載すると、本人以外に健康状態を知られる可能性があります。
そのため、外装は診療内容を推測されにくい表現とし、本文にも必要以上の病歴や治療情報を記載しないなど、患者のプライバシーを優先した設計が求められます。
病院の移転、休診、診療時間の変更、電話番号の変更などを、既存患者へ知らせるDMです。
重要な変更案内では、印象的なデザインよりも、情報の正確さと見つけやすさを優先します。「変更前」と「変更後」を並べ、変更日を大きく掲載することで、患者が新旧の情報を取り違えるのを防ぎます。
移転の場合は、新しい住所、地図、最寄り駅、バス停、駐車場の有無などを掲載し、受診当日に迷わないよう配慮します。
病院やクリニックでは、Webサイトやメール、SNSだけでは情報が届きにくい患者もいます。紙のDMを活用する主なメリットは、以下のとおりです。
患者が病院のWebサイトを定期的に確認していなくても、DMであれば住所宛てに情報を届けられます。
健康診断、予防接種、休診、移転など、患者の受診や生活に関係する情報を知らせる手段として活用できます。
スマートフォンやメールを日常的に利用していない患者にも、紙のDMであれば情報を確認してもらいやすくなります。
ただし、高齢者向けだからと単に文字を大きくするだけではなく、文章を短く区切り、見出しや余白を使って情報を整理することが重要です。
健診の対象者、予防接種の対象年齢、健康教室の参加対象者など、案内の目的に応じて送付先と内容を分けられます。
対象者に必要な情報へ絞ることで、一斉に同じ案内を送る場合よりも、自分に関係のある情報として読んでもらいやすくなります。
DMに二次元コードや電話番号を掲載することで、受け取った患者を予約や問い合わせへ誘導できます。
二次元コードの近くには「健康診断を予約する」「講座の空き状況を確認する」など、読み取った先でできることを明記しましょう。
健康教室や市民公開講座などの案内を通じて、病気になったときだけではなく、日頃から健康について相談できる病院であることを伝えられます。
地域住民との継続的な接点を作り、病院の役割や専門性を知ってもらう手段としても活用できます。
病院から郵便物が届くだけで、不安を感じる患者もいます。
「放置すると危険です」「手遅れになる前に」など、恐怖を強くあおる表現ではなく、受診や相談によって何を確認できるのかを落ち着いた言葉で伝えましょう。
病気のリスクを説明する場合も、患者が必要な情報を理解し、冷静に判断できる表現を心がけます。
病院のDMでは、注意事項や説明が多くなりやすいため、以下のように情報を分けて掲載します。
すべての情報を文章で続けるのではなく、見出し、表、囲み、箇条書きを使うことで、必要な情報を探しやすくなります。
病院の案内は、年齢や視力、医療知識の異なる患者が読みます。
文字を小さくしすぎず、背景と文字の色に十分な差を設け、行間や余白を確保しましょう。専門用語を使用する場合は、一般の患者にも分かる説明を添えます。
病院のDMでは、過度に派手な装飾や、通販広告のような強い販促表現は、患者に違和感を与える可能性があります。
清潔感、誠実さ、安心感を基本にしながら、医師やスタッフ、院内設備などの写真を必要に応じて掲載します。写真を使用する際は、本人の同意や掲載目的も確認しましょう。
電話番号、受付時間、予約用の二次元コード、申込期限などが紙面の各所に分散すると、患者がどこから手続きすればよいか迷う可能性があります。
予約や問い合わせに必要な情報を一つのエリアへまとめ、DMを読んだ後に取ってほしい行動を明確にすることが大切です。
病院や診療所の診療内容、治療、設備などを示し、患者の受診を促すDMは、その内容によって医療広告として規制の対象になる可能性があります。
厚生労働省は、医療法に基づく広告規制について、医療広告等ガイドラインやQ&A、事例解説書を公開しています。DMを制作する際は、一般的な販促物と同じ感覚で表現を決めず、最新の資料と医療機関を所管する自治体の運用を確認してください。
参照元:厚生労働省|医療法における病院等の広告規制について(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/kokokukisei/)
「必ず治る」「絶対に安全」「失敗しない治療」など、治療効果や安全性を保証する表現は避けます。
患者の状態や治療結果には個人差があることを前提に、対応している診療内容や相談できる事項を、事実に基づいて伝えましょう。
「地域で一番」「最高の治療」「他院より優れている」など、他の医療機関よりも優良であると受け取られる表現には注意が必要です。
実績や設備を掲載する場合も、調査時点、対象期間、集計条件など、患者が内容を正しく理解するための情報を確認します。
患者の感想や治療体験は、同じ治療を受ければ同様の結果が得られるとの誤解を与える可能性があります。
患者本人から掲載の同意を得ている場合でも、医療広告上掲載できるとは限りません。口コミや体験談を使用する前に、ガイドライン上の取り扱いを確認する必要があります。
自由診療を案内する場合は、治療内容だけでなく、通常必要となる費用や、主なリスク・副作用など、必要な情報が記載されているか確認します。
DMの紙面が限られているからといって、メリットだけを掲載し、注意事項をすべてWebサイトへ委ねるのは適切とは限りません。DM自体の記載内容について確認しましょう。
病院が保有する患者情報には、氏名や住所だけでなく、病歴、診療録、検査結果など、慎重な取り扱いが求められる情報が含まれます。
個人情報保護委員会と厚生労働省は、医療・介護関係事業者における個人情報の取り扱いについて、専用のガイダンスを公開しています。
参照元:個人情報保護委員会|医療・介護関係事業者における個人情報の適切な取扱いのためのガイダンス(https://www.ppc.go.jp/personalinfo/legal/iryoukaigo_guidance/)
患者の住所をDM発送に利用する際は、情報を取得した際に示した利用目的の範囲内か確認します。
診療や予約連絡のために取得した住所を、別の診療サービスや自由診療の案内へ利用できるとは限りません。院内の個人情報管理責任者などを交え、送付目的と利用条件を確認しましょう。
DM制作会社や発送会社へデータを渡す場合は、氏名、住所、発送区分など、作業に必要な情報へ限定します。
病名、診療内容、検査結果など、発送作業に必要のない情報まで共有しないことが重要です。
患者本人以外の家族や同居人が郵便物を受け取ることもあります。
封筒の外側に病名、治療名、検査名、診療科名などを大きく記載すると、患者の健康状態を第三者に知られる可能性があります。差出人名や封筒の表現も含め、プライバシーに配慮しましょう。
外部の制作・発送会社へ宛名データを提供する場合は、以下の項目を確認します。
価格やデザインだけでなく、患者情報を安全に扱える体制があるかを制作会社選びの判断材料にします。
病院、クリニック、健診施設などの制作実績がある会社か確認します。
医療広告の適法性を最終的に判断するのは医療機関側ですが、表現上の注意点を理解し、確認すべき事項を提示できる会社であれば、制作を進めやすくなります。
病院側が用意した文章をそのまま配置するだけでは、説明が長く、患者に伝わりにくいDMになる場合があります。
案内の目的と患者が必要とする情報を整理し、何を紙面に残し、何をWebサイトや別資料で説明するかまで提案してもらえる会社が望ましいです。
患者の宛名データを扱う場合は、制作、印刷、宛名出力、封入、発送の各工程における管理体制を確認します。
プライバシーマークやISMS等の取得状況だけで判断せず、自院のデータが実際にどのように受け渡され、保管、削除されるのかを確認しましょう。
企画、デザイン、印刷、宛名出力、封入、発送を一貫して依頼できれば、病院側の手間を軽減できます。
患者情報を複数の会社へ受け渡す回数を減らせる点も、一貫対応を依頼するメリットです。
健診予約数、講座申込数、問い合わせ数、二次元コードの読み取り数などを計測できるか確認します。
送って終わりにせず、対象者、訴求、デザイン、発送時期ごとの結果を振り返ることで、次回以降のDMを改善できます。
病院・クリニックのDMは、患者へ受診を強く勧めるためだけの広告ではなく、健康や受診について判断するための情報を、分かりやすく届ける手段です。
健康診断、予防接種、再診、健康教室、移転案内など、目的によって必要な情報や適切なデザインは異なります。対象者、日時、費用、予約方法を整理し、患者の不安とプライバシーに配慮した紙面を制作することが重要です。
また、診療内容や治療を案内する場合は医療広告規制を確認し、患者情報を使って発送する場合は、利用目的や委託先の安全管理体制を確認する必要があります。
当メディアでは、顧客との関係性を深めロイヤリティを高めるDM、CVR(成約率)など具体的な数値を追求するDM、情報を分かりやすく伝えるDMなど、目的別におすすめのDM制作会社を紹介しています。
病院・クリニックのDM制作を検討している方は、自院の目的と必要な管理体制に合うパートナーを比較する際の材料としてお役立てください。
制作会社はそれぞれ得意にしていることが違い、
自社の目指す成果を得意としている会社に依頼をすることがDM施策の効果最大化のための第一歩です。
| リスト作成 | 対応可 |
|---|---|
| 参考価格 | 50万円~ |
| リスト作成 | 不可 |
|---|---|
| 参考価格 | 220万円~ |