BtoB営業では、メールやテレアポ、Web広告などさまざまな手法が使われています。一方で、メールを送っても開封されない、電話しても担当者につながらない、決裁者まで情報が届かないといった課題もあります。こうした場合に活用できるのが、法人向けのDM(ダイレクトメール)です。本記事では、実際にアポイントや商談、受注、新規顧客獲得につながったBtoB DMの事例を紹介しながら、成果につなげるためのポイントを解説します。
クラウド拡張ツールを提供するrakumo株式会社が、大学の教職員へサービスを案内するためにDMを活用した事例です。
同社ではWebマーケティングを通じて、顧客から問い合わせてもらう仕組みを構築していました。一方で、今後は「届けたい相手に自社から情報を届け、サービスを知ってもらう」施策にも力を入れたいと考えていました。
当初はテレマーケティングを実施しましたが、相手の課題を探り、話を聞いてもらえる状態にするまでに時間と労力がかかっていました。そこで、大学教職員というターゲットの働き方を踏まえ、デジタル施策とアナログのDMを組み合わせることにしました。
施策では、3種類のDMを同じリストへ3回に分けて送付。事前に複数回接触することで、受け取った人の記憶や印象に残る状態を作ってからテレマーケティングを行いました。
その結果、DMを送らずにテレマーケティングを行った場合と比べ、トークにつながる確率が大きく向上。今後のマーケティングに活用できる情報やリストの獲得にもつながりました。
BtoB DMを単独の営業手段として使うのではなく、「DMで認知・興味喚起を行い、その後営業がアプローチする」という役割分担が機能した事例です。
参照元:株式会社スルーパス|【KIKUDM】お客様の声 | rakumo株式会社(https://www.kikudm.com/voice/rakumo)
ネクスウェイは、自治体のふるさと納税関係者へBPOサービスを提案するため、セミナー集客を目的としたDMを実施しました。
ふるさと納税業務には複数の担当者や部署が関係します。そのため、一人の担当者に届いて終わるDMではなく、自治体内で回覧されやすい「回覧票風」のクリエイティブを採用しました。
989通のDMを発送した結果、43件のセミナー参加申込みを獲得。さらに、セミナー後には107自治体からアポイントを獲得し、2件の受注につながりました。
BtoBでは、DMの宛名となる一人だけが意思決定者とは限りません。関連部署や上司、決裁者まで情報が共有される仕組みを作ることで、一通のDMから複数の接点を作れることを示す事例です。
また、DMから直接商談を求めるのではなく、セミナーを中間の接点として設け、その後の営業活動でアポイント・受注へつなげている点も参考になります。
参照元:株式会社ネクスウェイ|ネクスウェイ、第37回全日本DM大賞で銅賞を受賞し、3年連続入賞(https://www.nexway.co.jp/news/5468/)
医療・介護業界のM&A支援を行うCBホールディングスが、介護・福祉事業者へM&Aや事業売却を案内するためにDMを活用した事例です。
M&Aは、経営者にとって重要かつ慎重な判断が必要なテーマです。そのため、一般的な広告のようにサービスのメリットを強く押し出すのではなく、受け取った経営者が無理なく読み進められる構成が採用されました。
封筒には定型封筒よりも大きめのサイズを使いながら、広告色を抑えたデザインを採用。中のパンフレットは、経営者同士の会話を読むような対話型の展開にし、M&Aに関する疑問や不安を自然に解消できる構成としています。
そのうえで、無料の企業価値診断へ誘導し、DM発送後にはテレマーケティングを組み合わせました。その結果、高いアポイント率を実現しています。
高価格帯や検討ハードルの高いBtoB商材では、商品・サービスの説明を前面に出すのではなく、相手の悩みや検討時の不安からコミュニケーションを始めることが重要だと分かる事例です。
参照元:株式会社スルーパス|【KIKUDM】事例 | 株式会社CBホールディングス(https://www.kikudm.com/case/cb-holding)
若年層に特化した人材紹介サービスを提供するブラッシュアップ・ジャパンが、新規顧客の獲得にDMを活用した事例です。
同社では、それまでランディングページとリスティング広告を中心に新規顧客を獲得していましたが、Web広告の競争激化によってコストが上昇。オンライン施策だけでは接触できない企業を開拓するため、DMを取り入れました。
特徴的なのは、DMを送って終わりにせず、発送後に電話でフォローしたことです。担当者からは、電話した際にDMを見たと言ってもらえるケースが多く、その後の会話を進めやすくなったと紹介されています。
また、無差別に大量発送するのではなく、業界・業種を絞ってDMを送り、反応を見ながら成果の高い領域へ展開。例えばIT関連の求人が増えたタイミングにはIT関連企業へ送付し、問い合わせ増加につなげています。
ターゲットを絞る→DMを届ける→電話でフォローする→反応を見て次のターゲットを調整するという改善サイクルを回し、多くの新規顧客獲得につなげた事例です。
参照元:株式会社スルーパス|【KIKUDM】お客様の声 | ブラッシュアップ・ジャパン株式会社(https://www.kikudm.com/voice/brush-up-japan)
法人担当者には、日々多くの営業メールや業務メールが届きます。そのため、メールだけでは情報に気づいてもらえない場合があります。
紙のDMであれば、メールとは異なる形で担当者の手元へ情報を届けられます。
特に、過去に接点があるものの動きが止まっている見込み客や、Webだけでは接触しにくい企業への再アプローチに活用できます。
BtoB DMでは、DMだけで契約を獲得しようとする必要はありません。
事前にDMを届けておけば、営業担当者が「先日お送りした○○の資料についてご連絡しました」と電話できます。
何の接点もない状態から電話する場合と比べて、DMという共通の話題を作ってから営業を始められる点が特徴です。
BtoBの購買では、一人だけで導入が決まるとは限りません。
など、複数の関係者が意思決定に関わる場合があります。
ネクスウェイの事例のように、「他のご担当者様にもお回しください」といった回覧を前提としたDMにすれば、一通から複数人への接触を狙えます。
BtoB DMでは、企業の業界、規模、部署、役職などに応じて内容を変えられます。
例えば、「業務効率化サービスのご案内」とするよりも、「月末の集計作業に時間がかかっている経理責任者様へ」のように、対象者と課題を具体化できます。
受け取った人が「自分に関係する案内だ」と判断できることが、読み進めてもらう第一歩です。
BtoB DMでは、多くの企業へ送ることよりも、商談につながる可能性のある企業を選ぶことが重要です。
例えば、次のような条件をもとにターゲットを絞ります。
商品を必要とする可能性が高い企業へ絞ることで、訴求内容も具体化しやすくなります。
BtoB DMでは、自社の商品やサービスを説明することから始めると、単なる営業広告に見える場合があります。
例えば、「○○システムのご紹介」ではなく、「月末の集計作業に時間がかかっていませんか」と、顧客が感じている課題から始めます。
自社が何を売りたいかではなく、相手が何に困っているかを起点にすることがポイントです。
BtoBでは、サービスを知ったその場で契約を決められない場合があります。
そのため、最初のDMでは次のような行動を設定できます。
ネクスウェイのようにセミナーを挟んだり、CBホールディングスのように無料診断へ誘導したりと、顧客の検討段階に合った次の一歩を用意します。
BtoB DMの事例では、発送して終了するのではなく、その後の営業活動まで設計されています。
など、DMを最初の接点として次のアクションへつなげます。
BtoB DMでは、二次元コードの読み取り数や問い合わせ件数だけを見て成果を判断しないことが重要です。
最終的には、次の指標まで確認します。
DMが実際の営業成果にどの程度貢献したのかまで追跡します。
新規開拓では、リストの企業数だけを増やすのではなく、商品を必要とする可能性の高い企業へ絞ります。
業種や企業規模だけでなく、現在の市場環境、企業の事業内容、過去の導入傾向なども踏まえて対象を考えます。
「株式会社○○ 御中」だけでは、社内の誰が読むべき郵便物なのか判断されにくい場合があります。
可能な範囲で、「マーケティング責任者様」「人事責任者様」「代表取締役様」など、読み手を明確にします。
新規開拓では、DMを電話営業の前段階として使う方法があります。
DMで商品や課題を認知してもらってから電話することで、営業活動へ自然につなげます。
過去に資料請求や問い合わせ、展示会などで接点があったものの、その後動きがないリードへDMを送る方法があります。
例えば、「以前資料請求いただいた企業様へ」「○○展示会でお話しした企業様へ」のように、これまでの接点を踏まえて案内します。
以前検討して契約に至らなかった相手へ、同じサービス紹介を繰り返しても、再検討する理由にならない場合があります。
そこで、次のような変化を伝えます。
「以前とは状況が変わったため、改めて確認する価値がある」と感じてもらうことが重要です。
休眠リードにいきなり商談を求めるのではなく、無料診断、比較資料、最新事例、個別相談など、検討を再開しやすい行動を設定します。
既存顧客へ新しい商品やサービスを案内する場合は、「○○をご利用中のお客様へ」のように、現在の利用状況を踏まえて訴求します。
すでに自社との関係がある顧客へ一般的な新規営業DMを送るのではなく、既存顧客だからこそ得られるメリットを伝えましょう。
新商品の機能だけを説明するのではなく、「現在利用している○○と組み合わせることで、△△まで対応できる」といった形で、既存サービスとのつながりを伝えます。
BtoB商材では、派手な広告よりも、手紙、業務資料、招待状、レポートなどに近いデザインが適している場合があります。
CBホールディングスの事例では、広告色を抑えた封筒と、会話形式のパンフレットを採用しています。
ターゲットや商材に合わせて、「広告として目立たせる」のか「業務上重要な情報として読んでもらう」のかを考えます。
封筒やDM表面を見た時点で、誰向けで、どのような課題についての案内なのかが分かるようにします。
自社の商品名を大きく載せるより、ターゲットが抱えている課題を見出しにする方法もあります。
法人が商品・サービスを検討する際には、導入判断の根拠が必要です。
必要に応じて、導入企業数、削減実績、成功事例、調査データなどを掲載します。
ただし、数字を載せる場合は、対象期間や条件を確認し、根拠のある数値を使用しましょう。
BtoB商材は説明が多くなりやすいですが、DMだけですべてを理解してもらう必要はありません。
紙面では、相手の課題、解決の方向性、信頼できる根拠、次の行動へ情報を絞り、詳細はWebサイトや商談へ分けます。
BtoB営業で活用しやすい組み合わせです。
DMで事前に情報を届け、その後営業担当者が電話します。rakumoやCBホールディングス、ブラッシュアップ・ジャパンの事例でも、DMとテレマーケティングを組み合わせています。
紙で商品やサービスを認知してもらった後、メールから詳しい資料や申込ページへ誘導します。
DMには概要を掲載し、メールではクリックしやすい導線を用意するなど、それぞれの役割を分けます。
DMから直接商談へ誘導するのではなく、セミナーを中間地点にする方法です。
セミナーで課題や解決方法を理解してもらったうえで、参加後に営業担当者がフォローします。
DMでは興味喚起に必要な情報だけを伝え、詳しいサービス情報、導入事例、料金などは専用LPで説明します。
二次元コードから企業TOPページではなく、DMで紹介している内容と直接つながるページへ誘導しましょう。
DMの送付先や反応状況をインサイドセールスへ共有し、フォローする企業の優先順位を付けます。
専用URLや二次元コードなどで反応を把握できれば、関心を示した企業から優先的にアプローチする方法もあります。
DMに対して、問い合わせやWebアクセスなどの反応がどの程度あったか確認します。
反応数 ÷ DM発送数 × 100
発送した企業のうち、何社とアポイントを獲得できたか確認します。
アポイント数 ÷ DM発送企業数 × 100
獲得したアポイントのうち、実際の商談へ進んだ割合を確認します。
商談数 ÷ アポイント数 × 100
商談から何件の受注が生まれたか確認します。
受注数 ÷ 商談数 × 100
最終的には、DMの制作費、印刷費、発送費、その後の営業活動にかかった費用と、受注金額を比較します。
反応率だけでなく、「DM施策からいくらの売上・受注が生まれたか」まで確認することが重要です。
多くの企業へ送れば商談数が増えるとは限りません。
ターゲットを絞らず大量発送すると、商品を必要としていない企業にも送ることになり、費用対効果が悪化する可能性があります。
「当社は○○を提供しています」という説明だけでは、受け手に読む理由がありません。
まずは、相手が抱えている経営課題や業務課題から伝えます。
まだ課題を認識したばかりの相手に、「商談を予約してください」と求めても、ハードルが高い場合があります。
無料診断、セミナー、事例資料など、相手の検討段階に合った行動を用意しましょう。
BtoBでは、DMを受け取った人に決裁権があるとは限りません。
必要に応じて、上司や関連部署へ共有してもらうコピーや、社内で保管・回覧しやすい仕様を検討します。
DMだけで商談を獲得しようとすると、興味を持ったものの行動しなかった企業を取りこぼす可能性があります。
DM到着後の架電、メール、セミナー案内など、その後の接点まで設計しましょう。
BtoB DMでは、クリエイティブと同じくらい、誰へ送るかが重要です。
業種、企業規模、部署、役職などを踏まえた法人リストの作成や、保有リストのセグメント設計から相談できるか確認しましょう。
発送した事例が多いかだけでなく、アポイント、商談、新規顧客、受注など、営業成果につながった事例があるかを確認します。
渡した商品説明を紙面に配置するだけでなく、ターゲットが抱えている課題を整理し、どの切り口なら興味を持ってもらえるか提案できる会社が適しています。
BtoB DMでは、紙面だけで施策が完結しないケースが多くあります。
DM発送後の営業フォロー、専用LP、メールなどを含め、一連の顧客接点を設計できるか確認します。
発送して終わりではなく、反応率、アポイント率、商談率などを確認し、次回はどの業界や訴求へ展開するべきか改善提案できる会社が望ましいです。
BtoB DMで重要なのは、DM単体で受注を狙うのではなく、商談を生み出す営業プロセスの一部としてDMを設計することです。
実際の事例でも、DMを複数回送ってからテレマーケティングを行う、社内回覧を促して複数部署へ情報を届ける、無料診断やセミナーを中間地点として用意するなど、DMの後にある営業活動まで設計されています。
施策を実施する際は、送付対象を絞り、商品説明ではなく相手の課題から訴求し、検討段階に合ったオファーを用意しましょう。
また、発送後には架電やメールでフォローし、反応数だけでなく、アポイント、商談、受注まで追跡することが重要です。
DM制作会社によって、法人リスト作成に強い会社、CVR(成約率)などの数値改善を得意とする会社、ブランド表現やギミックDMに強い会社など、得意分野は異なります。
当メディアでは、目的別に「作る」に強いDM制作会社を紹介しています。BtoBの新規開拓や休眠リードの掘り起こし、商談獲得にDMを活用したい方は、自社の課題に合う制作会社を比較する際の参考としてお役立てください。
制作会社はそれぞれ得意にしていることが違い、
自社の目指す成果を得意としている会社に依頼をすることがDM施策の効果最大化のための第一歩です。
| リスト作成 | 対応可 |
|---|---|
| 参考価格 | 50万円~ |
| リスト作成 | 不可 |
|---|---|
| 参考価格 | 220万円~ |